コラム

寄稿させて頂きました

さて、小さなお知らせですが、この度、医学雑誌に寄稿させて頂きました。

 ◎月刊雑誌 「難病と在宅ケア」 2019年4月号 (3月25日発売)
  出版 日本プランニングセンター 定価1080円(税込み)

一般にはあまり知られていない厚労省指定の難病や、希少疾患に光が当てられた、日本に存在する唯一の難病を扱った貴重な雑誌です。そのタイトルから、内容が専門的で少し難しいのでは…? という印象を持たれるかもしれませんが、全ての掲載記事がとても読みやすく書かれてあります。ご興味下さった方は、出版社のウェブサイトや facebook にどうぞアクセスされてみて下さいね。
    http://www.jpci.jp/
  http://ja-jp.facebook.com/jpcijp/

最近では、スポーツ選手やタレントを始め、著名人が自らの病まいについて公表する機会を多く見聞きする様になりました。“告白”とも言えるべき彼らの言葉は、日常では忘れ去られている夫々の「人間の限られた生」というものについて思い起こさせ、そこから私達は深く思考する時を与えられます。
公にするという行為には、病気の恐怖や自己の弱さに立ち向かい、闘ってゆく姿勢を示す事で、その決意と覚悟の中に、罹病した自らを奮い立たせる意味が大きくある様に感じます。
この世に生を受けた全ての人には、老いや病まい、そしていずれは死が訪れます。
地震や台風等の自然災害を含めて、病気を得るという事が決して他人事ではなく、我が事として各々が捉える様になれる所まで到達する事が、ブログ等を通じてメッセージを発信される病者の方々の、ひとつの与えられた使命であるとも言えるのではないでしょうか。

クラシック音楽界でも、過去には病気が理由で演奏活動を断たれる事を余儀なくされた世界的チェリストのジャクリーヌ・デュ・プレさんや、日本のピアニストの田中希代子さん、また多くの演奏家を育てられた安川加寿子さんがいらっしゃいました。
また、現在活躍される方では、巨匠の舘野泉さんや、多発性硬化症の罹患を公表された事が記憶に新しいアリス=紗良・オットさんがいらっしゃいますが、医学の目覚ましい進歩によって、病まいや障がいと共存しながら、キャリアの継続も可能であるという事実を、お二人のピアニストは、華やかな舞台の上で示して下さっています。
こうした方々は、演奏の素晴らしさ以上に、この世に生きる喜びや哀しみ、また人生への感謝の思いと言ったより尊いものを、いっそう美しい音に乗せて、私達に伝えようとされている様に感じます。



2019.03.09 23:05

前の情報       次の情報

新着コラム

2024.02.29
「第13回川棚・コルトー音楽祭」開催のお知らせ
2024.01.05
謹賀新年
2023.12.31
新型コロナ感染症がもたらしたものとは何であったのか
2023.11.29
シンプル・イズ・ザ・ベスト?
2023.10.28
皆様のリクエストをお待ちしております!

バックナンバー